水無月朔日、雨中の蔦重。
本日は旧暦ですと平成七年六月一日となりまして、明け方4時ごろ東の空に月が昇り、宵の7時、お陽様と共に西の地平に沈みます。さて、昨日初日を迎えました東洋のヴィーナスを描いた鳥居清長の特集展のトピックスを少々。ご覧いただけますのは、我が学生時代の恩師・横山實(みのる)先生が、半世紀余りの歳月をかけて蒐集されたコレクションの一部です。歌舞伎好きの方には歌舞伎座の看板絵でもお馴染み、鳥居派の絵師、鳥居清長(とりい/きよなが)。画業の初めは菱川師宣に似た古雅なタッチでしたが、何が清長を発奮させたのか…創意工夫、奮闘努力して独特の画風を確立するに至りました。鈴木春信にそっくりの初期の錦絵から、磯田湖龍斎(NHK大河ドラマ“べらぼう”では鉄拳さんが演じました)の雛形若菜にヒントを得た中板、そして、清長の代名詞となる八頭...水無月朔日、雨中の蔦重。
2025/06/25 21:50