黒川沙良「イイネシナイデ/ブリコー」
才色兼備のシンガー・ソングライターが奏でる、馥郁たる良質R&B。ぼんやりとネットの波に乗っていたら(死語)、オートチューンがかかった憂いのあるR&Bという曲風が耳に止まった。オートチューンといえば、T・ペインやカニエ・ウェストの頃はそこそこ聴いていたけれど、ブラック・アイド・ピーズ「ブン・ブン・パウ」以降の“オートチューン雨後の筍状態”の時にはもう食傷気味だったなあなどと懐かしく思い返しながら聴いたその曲の名は「ブリコー」。翳りのあるメランコリックなR&B調のサウンドを背景に、凛とした声色で恋に盲目になった“遊ばれている女”からの卒業を歌っている。その声の持ち主は、黒川沙良というシンガー・ソングライター/ピアニスト。幼少からクラシックピアノの英才教育を受けるも、洋邦ポップスへ傾倒。いわゆる“耳コピ”に長けた人ら...黒川沙良「イイネシナイデ/ブリコー」